こんにちは!乗り物解説の部屋です。今回は沖縄に保存されている蒸気機関車D51 222について解説します。
「蒸気機関車が欲しい」 沖縄の子供たちの願いを叶えた国鉄職員たち
沖縄県那覇市の与儀公園には蒸気機関車D51 222が保存されています。
1972年7月27日~8月27日、沖縄本土復帰と鉄道開業100周年を記念し、北九州の国鉄職員たちが費用を負担して那覇市の小学生72人を招待しました。子供たちは7日間の滞在中、プロ野球観戦、遊園地、サーカスを楽しみ、門司機関区を見学しました。
沖縄にはかつて軽便鉄道がありましたが、沖縄戦で被害を受け、戦後も復旧されることなく廃線となっています。その後、沖縄の鉄道復活は2003年、ゆいレール開業まで間が空きました。沖縄の子供たちは本物の鉄道を体験したことはありませんでした。
門司機関区で本物のSLを見た子供たちは、「SLが欲しい」「沖縄の友達にも見せたい」と言いました。門司鉄道管理局は沖縄にSLを送る運動を展開し、1400万円の募金を集めました。
沖縄に送られるSLは南延岡機関区のD51 222が選ばれました。沖縄県花のデイゴにちなんでD51、覚えやすいゾロ目の222号機という理由でした。
D51 222は鹿児島港より船で輸送され、1973年3月に那覇市与儀公園に設置されました。譲渡式には市内小学生500人が招待されました。
参考文献リスト
那覇市公式ホームページ 与儀公園にD51が設置された経緯~D51設置までを写真で振り返る~
FNNプライムオンライン 50年前に海を渡ってきた蒸気機関車D51 沖縄の子供たちに夢与え…その後の人生に影響も
乗りものニュース 沖縄のポツンとSLのナゾ”友達にも見せたい”国鉄職員らが一肌脱いだ「記録」だった!