口が開く!しゃべる!魚顔の気動車リゾートサルーンフェスタ 車内も豪華!

鉄道
spaceaero2, CC BY-SA 3.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Koro59_festa.jpg

こんにちは!今回はリゾートサルーンフェスタについて解説します。JR西日本のジョイフルトレインとして活躍したリゾートサルーンフェスタはその個性的な外観と「しゃべる」ギミックで知られていますが、車内設備が充実した豪華な列車でした。

民営化から間もないJR西日本に現れたしゃべる列車

1988年7月26日、発足間もないJR西日本は広島支社向けのジョイフルトレインとしてリゾートサルーンフェスタがデビューしました。急行型気動車キハ58・28を幡生工場で改造し制作され、初運用は津和野~長門市間の臨時快速「ブルーライナー」でした。

先頭部は魚の顔のようにになっていて、開閉式の口の内部には電光掲示板とスピーカーが格納されていました。口が開くと電光掲示板に列車名が表示され、「僕はフェスタです」などとしゃべるユニークなギミックを備えていました。

spaceaero2, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, ウィキメディア・コモンズ経由で
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Koro59_festa_kuti.jpg
口を開いたリゾートサルーンフェスタ 口の中には中央に電光掲示板、両脇にスピーカーを配置

豪華な車内設備

リゾートサルーンフェスタは全車グリーン車の3両編成となっています。車番はキロ59 522-キロ29 553-キロ59 553です。

両先頭車は8席の展望室と36席の一般客室に分かれており、合計定員44名です。

展望室はハイデッカー構造となっています。2+2配置で2列が設置された座席は運転席向きの固定式。前の席より後ろの席を高くして前後どちらの席でも運転席越しの前面(後面)展望を楽しむことができました。大きな側窓と天窓で、側面の眺めも良好となっています。

一般客室には2+2配置、シートピッチ1120mmで回転式リクライニングシートが設置されました。座席は45度ごとに固定でき、向きを変えて様々なシートアレンジが可能でした。一般客室の両端の壁にはテレビが設置され、カラオケ装置も備えていました。

中間車は1両丸ごとフリースペースのサロンカーで、カフェカウンター・ラウンジ・ミニシアターが設けられました。ラウンジにはAV機器を備え、ビデオカメラで撮影したイベントの様子を各車両のテレビに映すことができました。また、ラウンジにもカラオケ装置が設置されていました。ミニシアターはお座敷列車感覚で利用できる絨毯敷きで、客室のテレビと別系統での上映もできました。その他、サロンカーでは囲碁・将棋の貸し出しも行われていました。

引退とその後

広島運転所に配置され、臨時列車や団体列車で活躍したリゾートサルーンフェスタですが、種車の車齢が高く老朽化が進行したことから、2001年11月11日の快速「さよならフェスタ」をもって引退となりました。

引退後はタイ国鉄への無償譲渡の計画がありましたが、残念ながら実現せず、2003年7月25日に廃車になりました。解体後、先頭部分が山陰本線沿線の民家の庭先で保存されています。保存当初はしゃべるギミックは生きていたようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「リゾートサルーンフェスタ」について解説しました。

急行型気動車を改造したジョイフルトレインは国鉄末期からJR初期にかけて多く登場しましたが、リゾートサルーンフェスタは開閉する口としゃべるギミックという唯一無二の個性を持っていました。運用期間の短さのわりに、人々の記憶に残る列車となりました。タイ国鉄への無償譲渡は実現しませんでしたが、タイで活躍していたら大きな話題になっていたのではないでしょうか。特徴的な先頭部分は現在まで保存され、その姿を今に伝えています。この時期の列車は設備が充実した個性的なものが多いですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の記事もお読みになってください。

参考文献

ジョイフルトレイン図鑑 小賀野実 JTBパブリッシング

日本のパノラマ展望車 徳田耕一 JTBパブリッシング

リゾートサルーンフェスタ パンフレット

思わず笑えるユニークな鉄道風景!日本列島のあちこちから探し出したびっくり写真が勢揃いの『鉄道珍百景』第2弾発売|CAPA CAMERA WEB

Wikipedia

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