日本初の冷房付きバス 西鉄「デラックスバス」 車体は特注の流線型ボディ!

こんにちは!今回は西鉄の「デラックスバス」について解説します。

特注デザインのバスに日本初の冷房搭載!

「デラックスバス」は西鉄が西日本車体工業、いすゞ自動車と共同開発したバスです。1958年5月6日に導入され、日本初の冷房付きバスとなりました。

1950年代後半から1960年代前半にかけて、観光バスブームの中で各社が特別デザイン・豪華装備の観光バスをデビューさせました。西鉄の「デラックスバス」もその中の1つです。

当時、バスのシャーシとボディは別々のメーカーが製造していました。「デラックスバス」のシャーシはいすゞBA系のBA341Pで、当時最新の技術であったエアサスペンションを採用しています。エアサスペンションを初採用したバスは1953年のGM製グレイハウンドで、日本では1956年の民生産業(後に日産ディーゼル工業を経て現在のUDトラックス)EF91型が初採用でした。

「デラックスバス」の車体はアメリカのドリームカーを彷彿とさせる流線型の特注品で、西日本車体工業が製造しました。フロントガラスは2分割の曲面ガラスを採用し、またドアやヘッドライトに至るまで専用のデザインとなっています。冷房車ということで、側窓は小さめにして冷房効果を高めています。側面最後部の丸窓がデザイン上のアクセントになっています。流線型の車体形状の為、室内の容積は小さめでした。

冷房装置は日本電装製を搭載しています。座席はリクライニングシートで、車内にはキッチンを備えていました。

「デラックスバス」は1台のみが製造され、貸切バスとして運用されました。

西鉄が先行したバスの冷房化 観光バスから路線バスへ

西鉄に続いて、他社でも冷房付き観光バスが登場しました。「デラックスバス」の登場と同じ1958年には、はとバスが東京初の冷房付きバスとなる「走るパーラー」を投入しています。1959年時点では冷房付きバスは全国にわずか21台でしたが、1960年代になると観光バスに冷房が普及していきました。

観光バスに対して路線バスの冷房化は遅れましたが、1960年代に長距離路線向けのトップドア車の冷房化が始まりました。一方でドアの開閉が多い一般路線では冷房効果を得るのが難しく、様々な実験が行われた後、1975年頃になって適合する冷房装置の開発に成功します。一般路線バスの冷房化でも西鉄が初となり、1976年6月15日に導入を開始しました。その後、1980年代には冷房付きの路線バスが普及していきました。

まとめ

今回は西鉄「デラックスバス」について解説しました。

1958年、西鉄が日本初の冷房付きバスとして導入した「デラックスバス」は、豪華な装備と個性的なデザインを誇りました。「デラックスバス」の後を追うように観光バスの冷房化が進み、西鉄は路線バスでも冷房化の先駆者となりました。

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の記事もお読みになってください。

参考文献

新版日本のバス年代記 鈴木文彦 グランプリ出版

乗用車よりも早く普及していた!? バス用クーラーの歴史が深すぎる!!

沿革|会社案内|グループ・企業情報|西日本鉄道株式会社

にしてつWebミュージアム 歴代車両図鑑(バス) 1958年製、日本初の冷房貸し切りデラックスバス

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