こんにちは!今回は世界一短いエスカレーター「プチカレーター」について解説します。5段なのにエスカレーター?と思われる方も多いかもしれません。なぜ、たった5段だけなのかもお伝えします。一般社団法人日本エレベーター協会の2022年度昇降機設置台数調査によると、国内のエスカレーター保守台数は7万594台とあります。その中に、世界一短いエスカレーターがあります。
ギネスに認定されたエスカレーターが川崎市にあった!
世界一短いエスカレーターとしてギネスブックに認定されたエスカレーターは、川崎市の商業施設「川崎モアーズ」にあります。
1989年10月、川崎モアーズと川崎駅地下街「川崎アゼリア」を結ぶ地下連絡通路のオープンの際に、上り1台が設置されました。高低差は83.4cmで段数は5段、所要時間は8秒です。安全面を考慮し、速度を落として運転されています。日立製作所が製作しました。
世界一短いエスカレーターとなった理由
地下連絡通路は川崎モアーズの地下2階と川崎アゼリアを繋いでいますが、川崎アゼリアは川崎モアーズの地下1階と地下2階の間に位置している為、段差が生じました。
そこで、ここに下りエスカレーター1台を設置することにしましたが、着工後になって床下に太い梁が通っていることが判明しました。その為、設置できないことが判明しました。工事断念も考えられましたが、来店客の為に途中まででもエスカレーターを設置することになり、5段の階段に踊り場を挟んで5段のエスカレーターが設置されました。
このエスカレーターは当初の予定とは逆に上りエスカレーターとされました。その横には階段もあり、5段・踊り場・5段となっています。
愛称募集
このエスカレーターが認定されたのはギネスブック1991年度版です。認定を記念し愛称が募集され、1500件の応募の中から、「プチカレーター」が選ばれました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は世界一短いエスカレーター「プチカレーター」について解説しました。
世界一短いわずか5段のエスカレーターが生まれたのは、着工後に床下に梁が通っていることが判明し、エスカレーターの設置が不可能になったことがきっかけでした。エスカレーターを設置しないという選択肢もありましたが、少しでも来店客にとって便利にする為、途中までの短いエスカレーターが設置されました。川崎の方々に親しまれているプチカレーター。川崎を訪れた際は、その短さ(5段、8秒)をぜひ体感してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の記事もお読みになってください。
参考文献
エスカレーターのかがく 成山堂書店 元田好孝 宇佐美誠史
プチカレーター|川崎モアーズ
川崎市川崎区:プチカレーター(ぷちかれーたー)
川崎に世界一短いエスカレーターがあった わずか5段、高さはたったの80センチ(全文表示)|Jタウンネット
世界一短い エスカレーター!「プチカレーター」!|SUZUKI NO.1 Factory – TOKYO FM 80.0MHz – 八幡智人