新幹線定期券の歴史 長距離も快適な新幹線通勤・通学の需要に応える「FREX」

鉄道
Hideyuki KAMON, CC BY-SA 2.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で https://commons.wikimedia.org/wiki/File:2008-02-17_interior_of_the_Nozomi_163_(N700_Series_Shinkansen).jpg

こんにちは!今回は「新幹線定期券の歴史」についてです。

定期券と特急券での新幹線乗車が認められる

定期券は原則として、特急券・急行券を買っても特急・急行への乗車は不可とされ、別に乗車券を購入する必要があります。新幹線も同様に定期券では利用できませんでした。

しかし、1978年12月15日、山陽新幹線小倉~博多間で自由席特急券を購入すれば定期券での新幹線利用が認められました。

1980年4月20日には新幹線全線の100km以内又は2駅間以内で、自由席特急券を購入すれば定期券での新幹線利用が可能になりました。利用するには予め定期券の券面に該当区間の新幹線を利用可能な旨の表記を受ける必要がありました。翌1981年4月20日には範囲が3駅間以内に拡大されています。

乗車券と特急券がセットになった新幹線定期券「FREX」の登場

1983年1月31日、乗車券と特急券がセットとなった新幹線定期券「FREX」が発売、翌日の2月1日より有効とされました。「FREX」は造語で、Free Express(自由席にいつでも乗れる)、Frequent Express(乗車機会が多い)、Fresh Express(さわやかな気分で利用できる)といった意味が込められています。

普通車自由席の利用が可能で、1か月用と3か月用が用意されました。設定区間は概ね200km以内で、東海道・山陽新幹線75区間、東北新幹線23区間、上越新幹線16区間の計114区間で販売されました。並行する在来線普通列車の利用も可能で、特急・急行の一部は自由席特急・急行券を購入すれば乗車できます。

ちなみに、「FREX」は旅客営業規則で規定されている定期乗車券ではなく、規則上は特別企画乗車券の扱いとなっています。

「FREX」は都市部の住宅事情の悪化による長距離通勤の増加や、通勤手当課税限度額の引き上げに伴い利用客が増加、新しい需要を開拓しました。

1人暮らしより安く!通学定期「FREXパル」も登場

1986年4月1日には通学定期の「FREXパル」も登場しました。都心での一人暮らしより安く、安心であるとして親元から通学する需要に応えました。

九州新幹線は「新幹線エクセルパス」

JR九州は特急定期券として「エクセルパス」を販売していたことから、新幹線定期券も「エクセルパス」として設定しました。当初は「つばめエクセルパス」の名で販売され、全線開業に伴い「新幹線エクセルパス」に改名しています。

「FREX」との違いとして、1か月用と3か月用に加え6か月用の設定がある点があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「新幹線定期券の歴史」について解説しました。

定期券と自由席特急券での新幹線利用が認められ、その後乗車券と特急券がセットになった新幹線定期券が登場しました。新幹線定期券の登場は、新幹線通勤という新たな需要を切り開きました。

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の記事もお読みになってください。

新幹線回数券の歴史についてもこちらで解説しています。

参考文献

新幹線がわかる事典 原口隆行 日本実業出版社

東海道新幹線 須田寛 JTB

東海道新幹線Ⅱ 須田寛 JTBパブリッシング

Wikipedia

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