2002FIFAワールドカップの観客の為に運転された「夜行新幹線」 夜遅く終わる試合に対応した運用

鉄道
Tennen-Gas, CC BY-SA 3.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で https://commons.wikimedia.org/wiki/File:T%C5%8Dkaid%C5%8D_Shinkansen_700_%26_300_001.JPG

こんにちは!今回は2002FIFAワールドカップに合わせて運転された「夜行新幹線」について解説します。

新幹線は基本的に午前0時~午前6時の間は走らない

新幹線の営業列車は、環境基準の兼ね合いで午前6時から午前0時の間に収まるように設定されています。遅延発生時には走行を続けることが認められている他、回送列車は対象外です。

しかし、特別なイベント等で特例として午前0時~午前6時の間に運転されたこともあります。これまでに1970年大阪万博、1973年の年末輸送、2001年カウントダウン列車、2002FIFAワールドカップで設定された他、運転取りやめとなりましたが、2021年東京オリンピックでも計画されていました。

東海道新幹線の「特別」

2002年6月11日、静岡スタジアムエコパで行われたカメルーン対ドイツ戦の帰宅客輸送の為、翌12日にかけて最寄り新幹線駅の掛川駅から臨時列車が運転されました。列車名は「のぞみ」・「ひかり」・「こだま」といった列車名は使われず、名称は「特別」とされました。掛川→名古屋(浜松に途中停車)2本、掛川→東京(途中熱海に停車)6本が設定されました。

運転に当たっては、以前に裁判で争い後に和解した「名古屋新幹線公害訴訟原告団」に、軽量車体の300系・700系を用いること、住宅密集地では120km/hまで減速することを条件に同意を得ています。

掛川駅は「こだま」のみが停車する駅です。「特別」は停車駅の少なさもあり、市街地での徐行運転をしつつも名古屋行き・東京行き共に「こだま」より短い所要時間で結びました。

上越新幹線は「あさひ」・「MAXあさひ」で

2002年6月15日、新潟スタジアムビッグスワンで行われたデンマーク対イングランド戦の帰宅客輸送の為、翌16日に最寄り新幹線駅の新潟駅から臨時列車が運転されました。こちらの列車名は定期列車と同じ「あさひ」・「MAXあさひ」とされ、新潟→東京(長岡・越後湯沢・大宮・上野に途中停車)に「あさひ」7本「MAXあさひ」4本が設定されました。

JR東日本の2002年4月8日付プレスリリースの「2002FIFAワールドカップ大会期間中の対応について」という項目で、ワールドカップ開催に伴う臨時列車の運転計画の一覧表が掲載されています。このプレスリリースは、現在でもJR東日本公式ホームページで見ることができます。

通常の「あさひ」・「MAXあさひ」が新潟~東京を2時間10分で結んでいたのに対し、夜行は2時間58分かけて走行しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は2002FIFAワールドカップに合わせて運転された「夜行新幹線」について解説しました。

2002FIFAワールドカップでは、夜遅くに終わる試合に対応し、東海道新幹線と上越新幹線で夜行新幹線が運転されました。通常では運転が認められない深夜帯の運用ということで、市街地では徐行運転が行われました。

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の記事もお読みになってください。

参考文献

新幹線の謎と不思議 梅原淳 東京堂出版

新幹線50年 From A to Z 松尾定行 東京堂出版

タイトルとURLをコピーしました